自然と遊ぶ

瓜割石庭公園(山形県高畠町)|高さ約30m。圧倒的なスケールでそびえる「高畠石」の岩壁を仰ぐ

こんにちは。今回は山形県高畠町にある、不思議な色合いと圧巻のスケールで訪れる人を魅了するスポット「瓜割石庭公園」をご紹介します。

山形県の南部、置賜地域の東側に位置する高畠町。宮城県の県南地域や福島県とも接しており、旧街道を通じた交流も含めた深い歴史と、「まほろばの里」と称される自然の恵み豊かな町です。

▪️「まほろばの里」とは

丘や山に囲まれた、実り豊かな住みよい場所という意味です。

そんな高畠町の中心部から車で15分ほど、宮城県へと通じる国道113号線沿いに、瓜破石庭公園があります。ここは町の特産「高畠石」のかつての採掘場跡で、今は立ち入り自由の公園になっています。

それでは向かってみましょう。

この看板を目印に右折すると、10~15台ほどの駐車スペースがあります。

車だけではなくロードバイクなどの自転車も停められるようになっています。サイクリングのお出かけで訪れるのもきっと楽しそう。

入り口の看板には「瓜割」の名前の由来が。

「石切り場の清水に瓜を冷やしたところ、瓜が割れるほど冷たい」ということでこの名がついたと言われています。

引用:高畠町・高畠町観光協会 看板

進んでいくと、

にわかに視界が開け、こんな景色が広がります。

周辺の緑の多さからは明らかに異質と感じるほどの、むき出しの岩肌。

その言い表しがたい色合いも相まって、突然どこか分からない場所に迷い込んでしまったような感覚に包まれます。

 
左側、池の向こうには少し高くなった、舞台のような場所。「音楽堂」の看板があります。
視界の中央には何体かの石仏のような像、そしてその右奥には、ぽっかりと四角く空いた洞穴。

この空間全体の不思議さに、思わず周りを何度もきょろきょろと見回してしまいます。

橋を渡り、ぬかるみ交じりの地面を歩いて、舞台のような場所にのぼりました。

舞台の上で手を鳴らしたり、声を出してみると、辺りに音がこだまします。

その響きの良さから、音楽イベントや舞の公演なども開催される、とのこと。

石壁を這う蔦の緑や、空気の湿り気などからも、そういった催しの際にも、他にはない独自の世界が立ち現れるのだろう、と感じます。

こちらは「まほろばの七福神」。お参りをして、奥の洞穴へと進みます。

洞穴の中。奥の方は日の光が届かず暗くなっています。以前行われたドラマ撮影の什器も残っている様子でした。

壁面には人工的な切り欠きの跡が残っています。まるで古い遺跡の石室のよう。

洞穴の外、実際の石切り場へ。

石で作られたふくろうがいました。かわいい。

奥にトンネルを見つけました。向こう側にもうひとつ空間があるようです。
足元に気を付けながら、少し坂になっているトンネルを抜けると、

 
このような景色が。圧巻です。

まさか町中からものの15分ほどのところに、こんな場所があるなんて。

はじめの空間以上に感じる、日常から隔てられたような深い静けさと、息をのむような石壁の存在感。しばらくぼうっと立ち尽くして、石壁をただ見上げていました。

見上げたときの好きな視界と、落ち着く場所を探してみることに。

岩壁に寄りかかってみると、何となく包まれているような不思議な安心感を覚えました。

目で見る縮尺が心もとなくなるほどのスケール。地面から伸びている蔦、割と低いところに這っているように見えるかもしれませんが、石壁のそばまで近づくと私の背丈の倍ほど、恐らく3m50cmくらいはありました。

「ただ空を見上げる」という動作をこんなにゆっくりと行ったのも、いつぶりだったろう。

天気はもちろん、季節や時間帯によっても違う表情を見せる空や光の表情も、繰り返し訪れて楽しめそうですね。

たっぷり30分ほど、神秘的とも言えるような空間を静寂のなか堪能しました。

今度は秋の紅葉や、夜の星空を眺めにも行ってみたいと思います。

あとがき

今回は高畠町の「瓜破石庭公園」をご紹介しました。
町中から車で15分ほどの場所で味わえるまるで異世界のような景観。
置賜地域へのお出かけの際には、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。

名称 瓜割石庭公園(うりわりせきていこうえん)
住所 山形県東置賜郡高畠町安久津
交通手段 高畠駅から車で約14分

 

ABOUT ME
トミヤ
1990年生まれ、山形県出身。珈琲と音楽と手仕事が好き。山形の虚飾のないひたむきな人やもの、場所を届けます。
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